
主宰からのお便り~丘の上から
- 第十回 「丘の上から」
- 明けましておめでとうございます。
- 皆さま、どのようにお過ごしでしょうか。私は年末まで忙しく
- 過ごしていたので、休息をとるための三が日になりそうです。
- 12月28日に「NHK俳句」という番組に出させていただき
- ました。1か月ほど前に収録したのですが、恥ずかしくてあまり
- 皆さまにお知らせしていませんでした。ご覧になった方からは「
- いつもの句会と同じような感じだった」という感想をいただきま
- した。テレビは、どんなに繕ってみても、ありのままが出てしま
- うものなのでしょう。再放送が1月2日にあるそうです。見逃し
- た方は、NHKワンで。私の顔を見たことがないという会員の方
- が何人かいらっしゃいますので、いちおうお知らせしておきます
- (期待しないで、見てくださいね)。
- 毎年大晦日の夜は、近くの神社にお参りに行き、破魔矢をいた
- だきます。境内の地面を掘って火が焚かれていて、古いおふだを
- 燃やしています。「年の火へ転がしてゆく根榾かな」は2年ほど
- 前の句です。
- 皆さまにとって、今年がお幸せな年となられますよう、お祈り
- しております。(藤田直子)
- 第九回 「丘の上から」
- 暑い夏から一挙に冬になって、秋を味わえなかったという声も
- 聞かれましたけれど、12月の初め、黄落の美しさを味わいまし
- た。
- 一ヶ所は道灌山です。道灌山は太田道灌の出城の跡と言われ、
- 江戸時代から明治にかけては「虫を聴く名所」だったそうです。
- 俳人は道灌山の茶店で、正岡子規が高浜虚子に跡を継いでほしい
- と話して断られたというエピソードを思い出します。西日暮里の
- 駅から徒歩数分で着く道灌山公園に行き、江戸の人々に愛された
- 眺望のよい丘であったことを想像しました。すぐ近くの諏方神社
- の銀杏黄葉が見事でした。
- もう一ヶ所は港区郷土歴史館。1938年に竣工した旧公衆衛
- 生院で、スクラッチタイルの渋くて重厚な建築ですが、建物内は
- リニューアルされ、郷土歴史館になっています。先ずはその建築
- を味わい、港区の歴史を知り、特別展のお菓子の歴史を懐かしく
- 観ました。外に出ると、大きな建物に相応しく、大きな銀杏が黄
- 色く輝いていました。(藤田直子)
略歴
●藤田直子(ふじた なおこ)
- 1950年 昭和25年2月5日 東京都三鷹市生まれ
- 1972年 立教大学文学部英米文学科卒業
- 1980年 作句開始
- 1982年 鍵和田秞子に師事
- 1984年 「未来図」創刊時に入会
- 1988年 未来図新人賞受賞
- 1989年 「未来図」同人
- 1990年~2000年 「未来図」編集担当、看護専門学校英語講師
- 1997年 第1句集『極楽鳥花』(ふらんす堂)刊行
- 2003年 未来図賞受賞
- 2006年 第2句集『秋麗』(富士見書房)刊行
- 2008年 『鑑賞女性俳句の世界 2巻』(共著)刊行
- 2009年 「秋麗」創刊
- 2014年 第3句集『麗日』(本阿弥書店)刊行
- 2018年 自註 現代俳句シリーズ・12期34
- 『藤田直子集』(俳人協会)刊行
- 2020年 評論 『鍵和田秞子の百句』(ふらんす堂)刊行
- 現在 「秋麗」主宰
- 俳人協会評議員
- 国際俳句協会会員
- 日本文藝家協会会員
- NHK文化センター青山 講師
- NHK文化センター千葉 講師