
主宰からのお便り~丘の上から
- 第七回 「丘の上から」
- 俳人協会の島根県支部の大会に出るため、出雲に行ってきまし
- た。その機会に、NHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」のゆか
- りの地、松江に行ってきました。国宝の松江城に上り、お濠を巡
- る舟に乗り、小泉八雲記念館や旧居を見学して、小泉八雲と妻の
- 生涯を知ることができました。宿泊したのは宍道湖から中海へつ
- ながる大橋川のほとりの「大橋館」です。ここは小泉八雲が松江
- に来て初めて宿泊した富田家を継承した旅館だそうです。
- ちょうど私が訪れた前日に、大橋館の玄関脇に「小泉八雲の石
- 碑」が建てられ、話題になっていました。八雲が本を持って欄干
- に寄り添っている姿でした。これから12月までに市内のあちこ
- ちに、いろいろな姿の八雲像が建てられるとのことです。
- 松江を訪れたのは3回目ですが、宍道湖の湖畔やお城の周辺の
- 街並が美しいことに、改めて感動しました。旅館では毎食、蜆汁
- が出されました。(藤田直子)
- 第六回 「丘の上から」
- 少し涼しくなってまいりました。ホームページを9月の初めに
- 更新しましょうと思っていながら、すっかり遅くなってしまい、
- 申し訳ございません。実は6月から、いま住んでいる団地の役員
- を務めています。担当は議事録。マンション法の改正などが話題
- で、普段聞き慣れていない言葉に四苦八苦しています。
- そんな日々ですが、句友から紹介されて「赤坂氷川神社」の宵
- 宮を見学しました。赤坂見附の近代建築や高速道路を背景に、祭
- 太鼓と祭笛のリズムに合わせ、趣きのある山車やきらきらと輝く
- 神輿が流れてゆく光景に感動しました。神輿の担ぎ手は募集で集
- められたようですが、皆さん、ほんとうに楽しそうに、足並みを
- 揃えて、ゆっくりゆっくり氷川神社に向かって進んでいきます。
- 近くで手拍子をしているだけでも愉しく、2時間近く一緒に歩き
- ました。
- ふと気づくと、議事録でガチガチになっていた頭が軽くなって
- いたのです。お祭はこんな風に、見ているだけでもリフレッシュ
- できることを実感しました。(藤田直子)
略歴
●藤田直子(ふじた なおこ)
- 1950年 昭和25年2月5日 東京都三鷹市生まれ
- 1972年 立教大学文学部英米文学科卒業
- 1980年 作句開始
- 1982年 鍵和田秞子に師事
- 1984年 「未来図」創刊時に入会
- 1988年 未来図新人賞受賞
- 1989年 「未来図」同人
- 1990年~2000年 「未来図」編集担当、看護専門学校英語講師
- 1997年 第1句集『極楽鳥花』(ふらんす堂)刊行
- 2003年 未来図賞受賞
- 2006年 第2句集『秋麗』(富士見書房)刊行
- 2008年 『鑑賞女性俳句の世界 2巻』(共著)刊行
- 2009年 「秋麗」創刊
- 2014年 第3句集『麗日』(本阿弥書店)刊行
- 2018年 自註 現代俳句シリーズ・12期34
- 『藤田直子集』(俳人協会)刊行
- 2020年 評論 『鍵和田秞子の百句』(ふらんす堂)刊行
- 現在 「秋麗」主宰
- 俳人協会評議員
- 国際俳句協会会員
- 日本文藝家協会会員
- NHK文化センター青山 講師
- NHK文化センター千葉 講師